近年、ITビジネスの急成長に伴い、Web制作発注をめぐっての法的紛争が非常に増えてきています。紛争の内容は、制作費用の適否に関するもの,契約の範囲に関するもの(どこまでが契約に含まれているのかなど)、デザインに関するもの(イメージとはかけ離れたサイトが出来てしまった場合にやり直しを求めることができるかなど)、追加制作費に関するものなど様々です。
Web制作発注をめぐってトラブルになってしまった場合、契約時点において合意されていたことは何なのかを正しく理解する必要があります。
①システムが完成してみたら、契約締結前に担当者から説明を受けていた仕様が実装されていない、②月額のメンテナンス費用を支払っているのに修正を依頼したところ別途修正費用を請求された、など「契約の範囲」をめぐるトラブルは非常に頻繁に起こりえます。
この場合、まずは契約書に書かれている内容が基本になりますが、契約書に書かれていなくても、メールのやり取りやプレゼン資料等によって、ある仕様を実装していることが契約の内容になっていることが明らかとなれば、発注者は受注者に対して、当該仕様を実装したシステムを納品するよう求めることができます。
ホームページの制作などにおいては、発注者側がデザインに対して非常に強いこだわりを持っている場合もあります。これも、契約締結時に、発注者が受注者に対し、デザインについて具体的かつ詳細な要望を伝え、受注者側との間に認識のずれがなくなるまで入念に打ち合わせを行った上で制作が始まれば問題が生じることは少ないのですが、見切り発車で制作が始まってしまうとトラブルになりかねません。終盤に差し掛かったところで、「デザインが気に入らない。やり直して欲しい。」といった要望を出されてしまい、納期に間に合わない、追加費用を請求せざるを得ない、などの問題が出てきてしまうのです。
システムの発注をしていたけれども、①業務内容の変化によってシステムが不要になってしまった、あるいは、②受注者がどうしてもこちら側の希望を汲み取ってくれないので、別の業者に依頼し直したい、というような場合どのような問題が生じるでしょう?
この場合、まずそもそも契約を一方的に解約する(契約当事者の一方による意思表示によって契約が終了することを「解除」といいます。)ことができるかどうかが問題になります。システム制作委託契約の法的性質を請負契約と解した場合、(A)仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないとき(民法第635条)、あるいは(B)受注者が仕事を完成しない間(民法第641条)には契約を解除することができます。次に解除できるとして、費用の支払はどうなるのかが問題になります。発注金額を全額支払わなければならないのであれば、解除の意味がありません。
この場合、基本的には出来高に応じて報酬を支払うことになります(民法第641条)。法文上はこのように簡単に答えが出ますが、現実の解決に当たってはそう簡単にいきません。実際のシステムの出来高が何割程度なのかを判断するに当たっては、予定されていた工数と現実になされた工数の比較や、既に完成した部分と未完成部分とを切り離すことが可能かどうかといった観点から詳細な検討を行う必要があります。
ITビジネス法務につきましては、下記の報酬基準によって費用を計算いたします(税別)。
請求金額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 8% | 16% |
300万円を超え3000万円以下の部分 | 5% | 10% |
3000万円を超え3億円以下の部分 | 3% | 6% |
3億円を超える部分 | 2% | 4% |
※交渉及び調停の最低着手金は10万円、訴訟の最低着手金は20万円とさせていただいております。
■H28.10.21 遺産分割Q&Aに「特別縁故者の認容例」に関する記述を追加しました。
■H28.10.12 遺産分割Q&Aに「遺産分割の時期」と「内縁配偶者の相続可否」に関する記述を追加しました。
■H28.7.27 説明書に関する著作権侵害訴訟で一部勝訴判決を得ました。
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