Aさんは、飲食店を経営するBさんから、BさんがX社から500万円を借りるために連帯保証人になって欲しいと頼まれました。Aさんはこれを承諾し、契約書の連帯保証人の欄に署名捺印しました。その後、Bさんは姿を消してしまい、X社からAさんに対する500万円の支払督促が来ました。ところが、よくよく調べてみると、BさんはX社から500万円など借りておらず、実はX社のBさんに対するみかじめ料を、金銭消費貸借契約という形で仮装したものであったことが分かりました。
AさんはX社に500万円を支払わなければならないのでしょうか?
みかじめ料の請求というのがそもそも公序良俗違反に当たり、主債務が無効になることによって、保証債務の付従性によって連帯保証契約は無効になるとも考えられます。
また、連帯保証契約は、錯誤無効によって無効になるとも考えられます。
錯誤無効とは、法律行為の要素に錯誤(思い違い)があるときは、契約が無効になるというものです。ただし、契約者に重大な過失があると、契約者はその契約が無効であると主張することができません(民法95条)。
要素の錯誤とは、法律行為の主要部分であって、主要部分というのは、各法律行為において表意者が意思表示の内容部分となし、この点につき錯誤がなかったならば意思表示をしなかったであろうと考えられ、かつ、表示しないことが一般取引の通念に照らし妥当と認められるものをいうとされています(大審院判決大正7年10月3日)。
このケースのAさんは、BさんがX社から500万円など借りておらず、実はX社のBさんに対するみかじめ料を、金銭消費貸借契約という形で仮装したものであるということを知りませんでした。もし知っていれば、連帯保証人になどならなかったかも知れません。したがって、Aさんは、錯誤無効を主張して、連帯保証債務を免れることが出来る可能性があります。
■H28.10.21 遺産分割Q&Aに「特別縁故者の認容例」に関する記述を追加しました。
■H28.10.12 遺産分割Q&Aに「遺産分割の時期」と「内縁配偶者の相続可否」に関する記述を追加しました。
■H28.7.27 説明書に関する著作権侵害訴訟で一部勝訴判決を得ました。
ご連絡先
〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西2-2-6
エビスファイブビル3F
TEL:03-6416-5662
営業時間
月~金 午前9時~午後6時面談は午後9時ころまで可
お気軽にご相談下さい
アクセス
■JR恵比寿駅(西口)、東京メトロ日比谷線恵比寿駅(出口2)より徒歩3分